杉本建築アトリエ

家ってなんだろう


『デザイン偏重でなく、その場所の心地よさの記憶が残っていくような建築を目指したい。』

新聞記事ですが、共感しました。デザイン偏重の家、多いですね。でも何か違うな、と。
芸大の先生がデザイン重視を否定するほど、住宅の役割は奥が深いということでしょう。

そう言えば学生時代に傾倒した建築家の一人である住宅作家の作品集が手元に在ります。
そう、まさに芸術作品と言える珠玉の住宅たちですが、住人の影は何処にもありません。
作家先生がその住宅を訪問する時は、住人の方達は大変になるそうです。家の片付けで。
「うーん、芸術作品に住むのは大変なんだなあ・・・」「ちょっと何かが違うような・・・」
などと建築学生の私は思い悩んだものでした。

記事の中にある「安心やぬくもりのある町」の姿にも、共感します。
これも学生時代のことですが、北海道の雪原をバスに乗っていると、住宅の窓の明かりが暖色のカーテンの色を映し、貧乏学生の心までも暖かい思いにしてくれたことを思い出します。

防犯上、住宅は益々閉鎖的にならざるを得ないようですが、これもどこかが間違っているのでは、と。人類が生き伸びることが出来るとすれば、人間個々が今とは随分違い、利己主義を止揚して高い精神性を保有しているのだろう、と思います。

それがローマクラブ創設者のアウレリオ・ペッチェイ博士などの言う「人間(性)革命」ということなのでしょう。